2026年2月17日
日本建築-黄檗宗
時代背景 黄檗宗を輸入 徳川幕府による鎖国の時代、外国との接触は制限されていました。しかし、大陸からの新しい影響がまったくなくなったわけではありません。1654年、明から渡来した隠元によって、禅宗の一派「黄檗宗」が持ち込まれます。そして四代目将軍・徳川家綱の加護を受け、1661年に宇治の万福寺を開きました。 黄檗宗は、禅宗の中でも実践的な哲学を重視しました。宗教的な理論や論理的思考よりも、自己の実践によって真理を理解することを目指します。 黄檗宗は、中国の禅宗である黄檗派と日本の臨済宗や曹洞宗が合流して誕 ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋建築-ゴシック
背景 中央集権の基盤が整い始める 当時のヨーロッパは、多くの小国家や地方政府が存在し、権力の分散化が進んでいました。そんな中、国王たちは中央集権化政策を進め、自らの権力を強化し、統治の効率化を図ります。王権の強化、法律の統一、行政機構の整備、課税制度の整備などが行われました。かくして、地方領主の手中にあった統治が国王の下に回収されます。 中央集権化政策:政治的な権限や権力が中央政府に集中すること。 特に勢いがあったのは、ルイ7世です。各地の貴族や教会が持っていた法的な特権を制限することで、自身の王権強化に ...
ReadMore
2026年2月17日
日本建築-禅宗様
時代背景 禅宗の伝来 12世紀末、栄西によって日本に禅宗がにもたらされました。禅宗では、これまでの仏教とは教義や儀式も異なるため、僧の生活や建築も変化していきます。 禅宗:仏教の教えを直接実践することで、真実を見出すことを目指します。基本的な修行としては、座禅が挙げられます。 14世紀頃までには、確固たる地位を築き上げることに成功しました。その背景には、得宗政権*や室町幕府が、既存の権門体制に代わる宗教勢力として、禅宗寺院に焦点が当てられたということがあります。得宗政権や室町幕府の支援を得て、禅宗は広く普 ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋建築-フランス・ルネサンス
背景 フランスの近代化 ルネサンス期のフランスは、政治的・経済的・文化的に大きな発展を遂げました。先頭を切ったのはシャルル8世です。彼はフランス軍を再編成し、新しい兵器を導入して戦力を強化し、財政改革を実施して経済を活性化させました。そしてブルターニュを併合することによって、フランスの領土を拡大しました。また、イタリア遠征*も行いましたが、こちらは失敗に終わります。そして、彼は28歳にして、この世を去ってしまうのでした。 シャルル8世のイタリア遠征:シャルル8世は、ナポリ王国の領土をめぐってイタリアの諸都 ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋建築-ロマネスク
背景 カロリング帝国の建国 768年には国王として、800年には皇帝として君臨したカール大帝は、カロリング帝国*の永華を築きました。その支配域は、現在でいうフランス・ドイツ・イタリアに及びます。そしてカール大帝の下で、文化・経済・宗教が発展し、また教育・行政などの制度も整備されました。 カロリング帝国:8世紀から9世紀にかけて、フランク王国を統一し、大きな領土を支配したフランク王朝の王族であるカロリング家によって建国された帝国。 カロリング帝国の分裂と西洋社会の混乱 しかしカール大帝の死後、カロリング帝国 ...
ReadMore
前の様式
背景
薔薇戦争
1455年、ランカスター家とヨーク家の間の王位継承を巡る争いが原因で、薔薇戦争*が始まりました。1461年、ヨーク家のエドワード4世がランカスター家を破り、王位に就くことで、この争いは一応の決着が着きます。しかしその後、ランカスター家のヘンリー6世が復位し、1470年代には再び戦争が勃発しました。最終的には、ヨーク家のリチャード3世が1485年にランカスター家のヘンリー7世に敗北し、決着となりました。そして、ヘンリー7世が王位に就いたことで、テューダー王朝が始まります。
薔薇戦争という名称は、19世紀の歴史家によって付けられた呼び名です。名前の由来には複数の諸説がありますが、基本的には、戦争の激しさ・戦争の長期化を表現する言葉として知られています。
イギリス宗教改革が勃発
王位に着いたヘンリー7世は、貴族層の権力を抑え、王権を強化する政策を進めました。また、彼は貿易の発展に力を注ぎ、大航海時代の基盤を築きます。その後、ヘンリー8世が即位すると、1534年に「王の首長法」を発布して、イギリス国王をイギリス国教会の首長と定めました。これによってイギリスはローマ教皇からの独立を正当化したのです。
事の発端は、ローマ教皇がヘンリー8世の離婚を認めなかったことに対する反発心であったと言われています。
イギリス国教会の最高指導者となったヘンリー8世は、教会の権限を大幅に強化し、教会の土地や富を接収することができるようになりました。
テューダー王朝の全盛期はエリザベス1世の時代です。彼女の治世下では、イギリスは大西洋を越えて新しい世界への進出を図り、イギリスの黄金時代と呼ばれる文化的な発展を遂げました。
特徴
宗教建築から世俗建築へ
イギリスがローマ教皇からの独立を果たしたことにより、修道院は解体されて宗教建築は極めて減少しました。そのため、この時代の主役を担ったのは住宅・邸館といった世俗建築です。
ゴシックとルネサンスの融合
当時のイギリスが大きく影響を受けたのはルネサンスです。16世紀、イギリスに根付いていたゴシック建築に、ルネサンス様式を取り込む形で受容されました。ただ、イギリスは地理的な条件や時間的な遅れもあって、イタリアから直接ルネサンスが輸入されたのではなく、フランスなどの周辺諸国を介して伝えられました。
フランス・ルネサンスの解説記事》建築-フランス・ルネサンス
表現・造形
イギリス・ルネサンスが花開いたのは、エリザベス1世の治世です。彼女の支援もあり、ゴシックからルネサンスへの転換期を迎えました。また、エリザベス1世の後を継いだジェームズ1世の頃には、本場イタリアのルネサンスが輸入されました。
フランス・ルネサンスの解説記事》建築-イタリア・ルネサンス
左右対称・縦長の窓
ロングリート|ロバート・スミッソン|1568
主にマニエリスム建築の影響を受けており、ルネサンスの規範から少し外れたオーダーが使われました。
マニエリスムの解説記事》建築-マニエリスム
本格的なイタリア・ルネサンスを導入したのは、建築家イニゴー・ジョーンズです。ジョーンズは、二度に渡るイタリア旅行で実際にルネサンス建築を見聞し、理解を深めました。
簡素な装飾
クイーンズ・ハウス|イニゴー・ジョーンズ|1607
古典建築由来の柱廊・アーチ・ドーム
ホワイトホール宮殿|イニゴー・ジョーンズ
古代復興の精確さは、新古典主義的な志向をも見せています。
西洋建築入門|著.森田慶一|東京大学出版会
建築の歴史|編.西田雅嗣・矢ケ崎善太郎|学芸出版会
西洋建築様式史|著.熊倉洋介・末永航・etc|美術出版社
美術史〈西洋〉|編・中山公男 中森義宗|近藤出版社
次の様式
西洋建築史年表
日本建築史年表
2026年2月17日
西洋絵画−初期ルネサンス
西洋絵画史の始まり 西洋絵画史の精神は「人間性の自覚」にある、というのが私の基本的な考えの立場です。そのため、当ブログでは、初期ルネサンスを西洋絵画史の始まりとします。 舞台 フィレンツェ 初期ルネサンスの舞台は、市民階級がいち早く台頭したイタリアの商業都市「フィレンツェ」です。 時代背景 キリスト教世界のほころび 中世ヨーロッパ社会は、これまで精神的にはキリスト教に支えられてきました。しかし、このキリスト教観というのは、人間を神の摂理にのみ従う下僕として、その限りにおいて人生の意義を認めるものでした。そ ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋絵画−ドイツ表現主義
著作権に対する配慮:当記事に掲載している模写作品の中には、著作権保護期間中のものが含まれています。そのため、「引用元(元絵)の明記」・「引用の必要性」・「画像は自前で用意すること」を徹底した上で、当記事の作成に望んでいます。 舞台 ドイツ これまでフランスに押され気味であまり活躍の場がなかったドイツでしたが、遂に自国を始点とする芸術運動の波風が立ち始めます。というのも、「近代化」を急激に進めて行ったドイツでは、それだけ社会に対する不満も生まれやすく、「苦しみを表現する画家」たちを産むには最適な土壌だったか ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋絵画−イタリア・バロック
舞台 イタリア 16世紀後半のイタリア、おおよそ芸術活動の低迷期に入っていました。しかし、カラヴァッジョの活躍によって、ローマで新たな盛り上がりを見せます。その後、カラヴァッジョ様式は国際的な広がりを見せました。(本記事では、イタリアに比較的近しい展開を見せたフランドル・スペインも一緒に取り上げます) 背景 宗教改革に対抗するカトリック教会 カトリック協会の免罪符を直接のきっかけに、「宗教改革」が勃発。離れていった信者の心を取り戻すため、カトリック教会は「反宗教改革」に乗り出しました。 分かり易さを武器に ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋絵画−マニエリスム
舞台 国際的な展開 イタリアに端を発したマニエリスムは、16世紀後半には国際的な広がりを見せます。 背景 反宗教改革に乗り出す カトリック教会が「反宗教改革」に乗り出す時代、「神秘的な表現」が求められるようになります。 絵画による奇跡体験 論理を持って「奇跡」を説明することは出来なくても、絵画の世界の中でならそれは可能になるからです。 劇的な表現の追求 それはやがて古典主義の特徴である、「穏やかさ」や「荘厳さ」、「静けさ」や「バランスの重視」に対して、より「魂の根源」に迫る表現に至りました。 ミケランジェ ...
ReadMore
2026年2月17日
西洋絵画−ヴェネツィア派
舞台 ヴェネツィア ローマで盛期ルネサンスが盛り上がりを見せていたその頃、東方とヨーロッパを結ぶ貿易で富を蓄積したヴェネツィアでは、別のルネサンスが誕生していました。一般に、ヴェネツィア派と呼ばれるものです。 背景 裕福な市民が誕生 ヴェネツィアでは、教会や市当局だけでなく、富裕で教養ある個人からの注文も盛んになりました。 個人受けする作品が流行 彼らは、伝統的な物語の著述よりも「感覚的な魅力」を要求します。 そのため、主題の重要性以上に、「鑑賞者が満足する」ような作品が好まれました。 特徴と画家 鮮やか ...
ReadMore