西洋建築-フランス・バロック

2026年2月16日

西洋建築-フランス・新古典主義

背景 ヨーロッパ随一の絶対主義国家 フランスは17世紀後半、ルイ14世の時代を持って王権が頂点に達し、ヨーロッパ随一の絶対主義国家に成長しました。ルイ14世は絶対王政下で全権を握り、貴族や教会、一般市民にも厳しい統制を加えます。そして中央集権的な行政組織を整備し、強大な軍事力を築きました。 しかしその一方で、ルイ14世の統治による莫大な財政負担や、貴族・教会の排除などに対する不満は蓄積していきます。 ルイ14世亡き後は、ルイ15世が即位し、専制政治を引き継ぎましたが、この時にはすでに王権の権威は低下してお ...

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2026年2月16日

西洋建築史年表

古代ギリシャ|西洋建築の精神は、古代ギリシャを範とするところから始まります。その意味で、西洋建築史の出発点に相応しいと言えるでしょう パルテノン神殿 古代ローマ|「栄光の都」ローマ帝国という舞台は、古代ギリシャ建築とキリスト教建築の架け橋となりました コロッセウム闘技場 初期キリスト|西洋建築の代名詞、「教会建築」はここから始まります バシリカ式 集中堂式 ビザンティン|政治的な東西分裂は、建築様式にも影響を及ぼしました ハギア・ソフィア ロマネスク|別名「地方様式」とも言われるロマネスクは、各地の風土に ...

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2026年2月16日

西洋建築-デ・ステイル

背景 第一次世界大戦後 第一次世界大戦後、各国の経済は混乱し、人々の価値観や生活様式も変化しました。ストライキやデモなども行われるようになり、社会変革が急務となります。これは戦争に参加しなかったオランダにおいても例外ではありませんでした。 オランダは、中立を守ることによって国内の平和を維持しようとしました。しかし周辺諸国の経済的混乱や政治的変化の影響を受けないわけには行かず、大量の難民や貧困層、失業者などを抱え、経済的・社会的な不安定さが続きます。そんな中、社会主義的な政策や労働者の権利擁護が唱えられるの ...

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2026年2月16日

西洋建築-アーツ・アンド・クラフツ

背景 分業体制の始まり 19世紀後半のイギリスでは、産業革命によって工業化が進み、工業製品の需要も高まっていました。それに伴い、機械による大量生産や標準化が進む一方で、工芸品や手仕事の価値は低下していきます。 モリスが立ち上がる 機械的かつ分業的な生産方式を強いられる現状に、一人の男が声を挙げました。我らがW・モリスです。彼は機械による大量生産や標準化に反対し、手仕事や伝統工芸品の価値の再評価を図ったのです。 彼は芸術を労働における人間の悦びの表現であると主張しました。そして物作りの労働が悦びと感じられる ...

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2026年2月16日

西洋建築-イタリア・ルネサンス

前の様式 舞台 イタリア・ルネサンスの舞台は、市民階級がいち早く台頭したイタリアの商業都市「フィレンツェ」です。 時代背景 イタリアは、中世において商業や金融の中心地として栄え、豊かな都市国家へと発展しました。このような繁栄の中で、芸術家や学者が集まり、文化的な交流が盛んに行われるようになります。また、イタリアでは古代ローマや古代ギリシャの文化が受け継がれていましたが、ルネサンス期において、これはキリスト教中心の中世思想に対する反発という形をとって現れました。 キリスト教世界のほころび 中世ヨーロッパ社会 ...

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前の様式

時代背景

ブルジョワ階級の台頭

フランスはアンリ4世の治世の下、ようやく政治的にも経済的にも安定した時代を迎えました。そしてこの安定期の中で、新興ブルジョワ階級が台頭してきます。彼らは商業・手工業・金融などで成功を収めた人々であり、血統による身分制度ではなく、自らの実績や成功によって社会的地位を確立しようとしました。

また、アンリ4世は彼らの支持を受けて王位に就いたこともあって、ブルジョワ階級の代表者を重用したり、商工業者や金融業者の権利を保障する政策を進めました。彼らに対して特権や称号を与え、社会的地位を高めることで、彼らとの信頼関係を築いたのです。

アンリ4世は、カトリック教徒以外のプロテスタントやユダヤ教徒にも市民権を与えました。

ブルジョワ階級は、アンリ4世の治世を通じて、政治的・社会的な力を強め、17世紀にはフランス社会を支配するようになりました。彼らの多くは、王室よりも自由な発想と確かな見識を持っており、新しいものを作り上げようと燃える若い芸術家たちの才能を育てたのです。

絶対王政の誕生

王権に対して一定の経済的影響力を誇ったブルジョワ階級でしたが、それは一方で王室にとっては脅威でもありました。特に後代のルイ14世はこの影響力を恐れ、ブルジョワ階級に対する政治的圧迫を行います。

ルイ14世は「太陽王」と呼ばれ、絶対王政の象徴となった人物です。彼は生涯を通じて王権の中心化と強化に努め、フランスを絶対主義国家に変えました。

同時に、ルイ14世は貴族に対して厳しい法律を制定し、貴族の権力や特権を制限、貴族の支配力を弱めることにも努めました。また、王権神授説などによって王権の強化を図り、中央集権的な統治体制を確立しました。

②王権神授説:ヨーロッパの中世から近世にかけて、王権の正当性を説明するために用いられた手法。この説によると、国王の役割は、神から王位を授かり、神の代理人として人々を統治することでした。

特徴

絶対主義の時代

この時代のヨーロッパは、絶対主義の時代とも定義付けられ、絶対君主はそれまでになかった強大な権力と共に、ヨーロッパにおける文化的主導権を手中に収めて行きました。

中でも、周辺諸国に先駆けて中央集権化を推し進めたフランスは、イタリア・バロックを受容しつつも、自国独自のバロック様式を確立して行ったのです。

古典主義を尊重

フランス・バロックの根幹は、古典主義の理知的な解釈によって貫かれています。

表現・特徴

イタリアにおけるバロックは、カトリックの反宗教改革を反映しているため、変則的で派手な表現が主流でした。それに対しフランスのバロックは、見識ある新興ブルジョワ階級によって展開されたため、劇的な視覚効果は重視されず、抑制の効いた古典主義として洗練されて行きます。

フランスの伝統様式とバロックとの融合

リュクサンブール宮|サロモン・ド・ブロス

両隅と中央が張り出すパヴィリオン形式からは、フランスの伝統様式が伺える一方、オーダーの扱いや彫刻的な構成からは、バロック的な傾向が伺えます。

メゾン城|フランソワ・マンサール

出典:同上

長方形の形をした主屋の両端に、パヴィリオンを張り出させ、各煉には勾配の強い中世以来のフランス屋根が架けられています。また、抑制の効いた円柱と水平の影を落とすコーニスの帯が、風格ある姿を見せています。

3層構成のオーダー

出典:4travelより引用

一方で、中央部のペディメントを戴いた3層構成のオーダーによって、バロック的な流動感を表現してもいます。

フランス・バロックの最高傑作

バロックを代表する建築家には、もう一人、ルイ・ル・ヴォーがいます。彼は室内装飾家シャルル・ル・ブランと造園家アンドレ・ル・ノートルと手を組み、ヴェルサイユ宮殿を予告する最高傑作、ヴォー・ル・ヴィコント城を建設しました。

ヴォー・ル・ヴィコント城|ルイ・ル・ヴォー|1657

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四隅のパヴィリオンと中央広間上の大ドームが織り成す全体構成の斬新さと、外壁を飾る大オーダーが、この建物に躍動感溢れる力強さを与えています。ここに、ル・ブランによる装飾・ノートルによる庭園が組み合わさリ、フランスを代表する建築の一つとなりました。

嫉妬するルイ14世

この傑作の城主は、ルイ14世の大蔵大臣であったニコラ・フーケですが、この城の出来栄えに嫉妬したのは、彼の使えるルイ14世でした。彼は、ヴォー・ル・ヴィコント城の建設に関わった3人をそのまま登用し、ヴェルサイユ宮殿を完成させます。

ヴェルサイユ宮殿|ルイ・ル・ヴォー

ヴェルサイユ宮殿は、ルイ14世の絶対的権威を世に示すための舞台装置であり、バロック的な演劇性を思う存分に発揮しました。しかし、それでもなお、イタリア的な独創性に向かうことはなく、秩序ある古典主義を留めています。

参考文献

西洋建築入門|著.森田慶一|東京大学出版会

建築の歴史|編.西田雅嗣・矢ケ崎善太郎|学芸出版会

西洋建築様式史|著.熊倉洋介・末永航・etc|美術出版社

美術史〈西洋〉|編・中山公男 中森義宗|近藤出版社

次の様式

西洋建築史年表

日本建築史年表

2026年2月16日

西洋絵画−印象派

舞台 フランス フランス美術は西洋絵画史の主要舞台の座を確立しました。イギリス風景画の伝統もスペイン画家ゴヤの系譜もフランスに吸収され、オランダ画家ゴッホもこの地での修行を得て覚醒しました。 背景 印象派展の開催 1874年、モネ・ルノワール・セザンヌ・ドガ・ピサロらによって、展覧会が開かれました。 彼らの作品に共通して見られる「スケッチ的な作風」から、この展覧会に集まった彼らは総称して、「印象派」と命名されることになります。 多様性に満ちた印象派グループ しかし実際のところ、彼らには明確な意味での共有さ ...

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2026年2月16日

西洋絵画−ヴェネツィア派

舞台 ヴェネツィア ローマで盛期ルネサンスが盛り上がりを見せていたその頃、東方とヨーロッパを結ぶ貿易で富を蓄積したヴェネツィアでは、別のルネサンスが誕生していました。一般に、ヴェネツィア派と呼ばれるものです。 背景 裕福な市民が誕生 ヴェネツィアでは、教会や市当局だけでなく、富裕で教養ある個人からの注文も盛んになりました。 個人受けする作品が流行 彼らは、伝統的な物語の著述よりも「感覚的な魅力」を要求します。 そのため、主題の重要性以上に、「鑑賞者が満足する」ような作品が好まれました。 特徴と画家 鮮やか ...

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2026年2月16日

西洋絵画−北方ルネサンス

舞台 アルプス以北 イタリアでルネサンスが盛り上がりを見せていたその頃、アルプス以北の国々でも独自の流れが形成されていました。イタリア・ルネサンスと区別して、北方ルネサンスと呼ばれます。 背景 市民階級の台頭 15世紀のフランドル地方では、「毛織物工業」と「国際貿易の振興」に伴って「市民階級」が台頭して来ました。 ありのままを描く それに呼応するように、「風景画」や「風俗画」なども受け入れられるようになります。 イタリア・ルネサンスでは「古典美」を理想の範としたのに対し、北方ルネサンスは自然や人間の姿を「 ...

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2026年2月16日

西洋絵画−フランス・新古典主義絵画

舞台 フランス 革命期からナポレオン時代にかけてのフランス。ナポレオンは絵画を、自らの理念の「プロパガンダ」として活用しました。そのため、絵画は記録的な意味合いを強めます。 背景 軽快なロココに対する反動 18世紀後半、「快楽主義的」で「感覚的」なロココ様式に対する反動として、美は表面的なものでなく「崇高」なものであると考える傾向が強まります。 崇高さを追求 そして、「装飾趣味」や「官能的な裸婦像」に代わって、「形而上的な内容」や「簡素で壮大な形態感覚」を備える古典美術が範とされました。 特徴と画家 相次 ...

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2026年2月16日

西洋絵画−立体派〈キュビズム〉

著作権に対する配慮:当記事に掲載している模写作品の中には、著作権保護期間中のものが含まれています。そのため、「引用元(元絵)の明記」・「引用の必要性」・「画像は自前で用意すること」を徹底した上で、当記事の作成に望んでいます。 舞台 フランス 産業革命以来、急速な進歩によりもたらされた「世界の拡大化」は、多種多様な芸術運動の下、「専門化」・「分化」を押し進めました。そんな中で、新しい視覚体験が模索されます。そして、「形態」と「構成」の面で大きな変革が起きたのはフランスでした。 背景 感覚派から知性派へ 野獣 ...

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-西洋建築史